ストーリの力にも失敗例があります。
その企業名はアウディ
信憑性のない物語で失敗したのです。
アメリカのスーパーボールのCMでは物語のCMが多い。
そのスーパーボールのCMでアウディ。
主人公は、女の子で、エンジンを搭載していない車両で坂道を駆け下りる競技の選手です。
彼女がこのレースで運転するシーンと共に父親がつぎのようなセリフを心の中でつぶやくのである。
私は娘に何を伝えるべきだろうか。「おじいさんはおばあさんより偉いし、お父さんはお母さんよりも偉いんだよ」
「どんなに勉強をがんばっても、運転がうまくなっても、技術や知力を身につけても、自動的に君は男性よりも劣っているとみなされてしまうんだよ」と伝えるのか。
いや、まったく違うことを伝えるんじゃないか。
そんなことを頭の中でつぶやいているうちに娘はレースに優勝する。
ラストに親子でアウディに乗るシーンが出てきてこんなテロップが流れる。
「アメリカのアウディは男女同一賃金を約束します。皆で、ともに前進していきましょう」
これが、炎上して世界中でこんな声が溢れた。
「アウディにじょせいしゃいんなんてほとんどいないじゃないか」
「よくこんな嘘っぱち流せたな」
なぜ、アウディはCMに失敗したのでしょうか?
まず、レースに参加している娘に対して上記のようなことを考えるのであろうか?
頑張れーと応援するのではないか?
今どき、「おじいさんはおばあさんより偉いし、お父さんはお母さんよりも偉いんだよ」と伝えようと思うのか。
まったく信憑性もなく、ストーリーの中に入り込めないのである。
ものすごい宣伝費用を費やして失敗した例でした。